ヘッドハンター・イン・ジャパン | HEADHUNTER in JAPAN

日本で働く日本人とイギリス人のヘッドハンター二人が彼らの仕事や日常について徒然なるままに書き殴る自由帳 | HEADHUNTER duo in Japan, a Japanese and a Brit, talking about work and everyday life.

ヘッドハンティングとは ー 日本での実態について

こんにちは。


外資系企業で仕事をしている方なら一度はヘッドハンターと名乗る人間からの電話を受けた事があるかもしれません。

見覚えの無い電話番号から、「〇〇さん、私はヘッドハンターの者でして・・・」と言われると、慣れていない方は間違いなく驚かれると思います。

そもそもなぜ、ヘッドハンターはあなたの連絡先を知っているのか。
そして、なぜあなたの仕事内容を知っているのか。

これは誰もが疑問に感じる点であり、それを正直に教えてくれるヘッドハンターは殆ど存在しません。

 

そもそも興味が無ければ、その様な連絡は無視をし続ければ良いのですが、あなたの人生において、より素晴らし企業・環境で、より高い報酬を受けれる機会を提示してくれる可能性がある為、全てを遮断してしまうのも賢明であるとは言えません。


ヘッドハンターと一様に言っても、その正体はとても曖昧です。

その業界において長年経験があり、あなたよりも数多くの業界人とコネクションを築いている方から、大学を卒業した後に何となく日本へやって来て、人材会社での経験が1年以下という方までいらっしゃいます。

 

当然の話ですが、転職という人生においてとても重要なプロセスを、業界の事を何も知らない方に任せるのは少々不安です。

そんな中、少しでも自身にとって有効的なヘッドハンターとの付き合いをするには、これから説明している事について知っておくのが大事であると思います。

 


・人材紹介の業態
・なぜヘッドハンターはあなたの連絡先をしっているのか
・ヘッドハンターと話をしてみるにあたって

 


<人材紹介の業態>

そもそも人材紹介の業態というのは2つのビジネスモデルがあります。

①登録型
広告等を活用し、転職希望者の登録を募り、転職の斡旋を行う業態。
企業例:リクルートJACジャパン、インテリジェンス、ロバート・ウォルターズ、パソナキャリア等、名前を聞いた事がある大手企業は殆どこの業態です。

②サーチ型
企業における役員クラスや、探すのが難しい求人依頼に対して、自社もしは自身のネットワークやノウハウを駆使してクライアント企業が求める人材を探し出す業態。
一般的にヘッドハンティング会社と呼ばれるのがこのサーチ型という理解で良いかと思います。
企業例:Egon Zehnder、Spencer Stuart、Heidrick & Struggles、Russell Reynolds Associates、Korn/Ferry International

実態としては、①に該当する企業の方々も、ヘッドハンターと名乗ります。

メールや電話等で、「〇〇業界でトップの企業で、△△でのDirectorポジションがありまして・・・」といった様に、まずは会社名を出さずに、実際に電話や、会って話をした際には具体的な案件は無く、あなたの経歴についてのみ聞かれ、「今後良い案件があれば紹介する」となりそれから一切連絡が無い、というのは良く聞く話です。

 

結果、あなたは自身の情報のみ吸い取られ、完全に時間を無駄にするという事になり兼ねません。

不動産業者が釣り物件をネットに掲載し店舗へ誘導する行為に少し似ています。

一方で求人を出すクライアント企業側から、企業名を出さずに人材サーチを行って欲しいというリクエストがある場合があります。
理由は色々とあるのですが、例としてその企業がまだ公にしていない事業におけるメンバーを集っている場合です。

そこで、ヘッドハンターからのアプローチがあった場合、どの様に対応すれば良いのでしょうか。
人それぞれの考え方はあるとは思いますが、今回の記事で少しでも人材紹介の仕組みを知り、判断材料のひとつとして身に着けて頂ければと思います。


<なぜあなたの連絡先を知っているのか>

ヘッドハンターはそもそも、どこからあなたの連絡先情報を手に入れているのでしょうか。

基本的には下記の2通りが考えられます。
①クライアント企業があなたと実際に関りがあり(ビジネス上もしくはプライベート)、ヘッドハンターに仲介役を依頼する為に連絡先を共有している
②人材紹介会社のリサーチ部門(※1)が、どの会社にどんな方がいるかというデータを収集している
(※1)人材業界のリサーチについては、別投稿で詳しくお話をしたいと思います。

①の場合は、あなたが業界内で名前が売れているという事実からくるものですので、素直に光栄であると捉えるべきではと思います。
ただし、たまに見かけるのが、ヘッドハンターがこの様な説明をしつつも実はそうではないというケースです。

これを見極めるのも、難しくはありますが、優秀なヘッドハンターであれば丁寧に状況について説明をし、なぜあなたがヘッドハントの対象になっているのかを可能な限り教えてくれるはずです。
少し怪しいと思った際には、「自身のどの部分に対して先方は評価してくれているのか」という問いかけをしてみるのも良いかもしれません。

②について、ヘッドハント会社によっては、あなたの会社の社員名簿を持っているというケースもあります。詳しいお話は後日。


<話をしてみようと思うなら>

そもそもなぜヘッドハンターはあなたに電話をかけてくるのでしょうか。
これらの理由を知っていれば、ある程度短時間の会話の中でそのヘッドハンターと話をする価値があるのかを見極められるはずです。

①クライアント企業より、名指しで「この人が欲しい」というリクエストがあった。

クライアント側からの信頼度が高いヘッドハンティング会社であれば、直接的にコンペチター企業からの引き抜きをサポートしてくれという依頼がある場合があります。
私が働く会社では、実際にクライアントより企業名と氏名を頂き、我々のネットワークを活用してその方にアプローチする、というケースが良くあります。

この場合、ヘッドハンターは「とある企業より名指しであなたとお話をしたいとの事なので連絡しました」という内容でアプローチをするケースが多くみられます。
多くの場合、依頼企業からの要望もあり、ファーストコンタクトでその企業名を明かす事は少ないので少し怪しく感じるかもしれませんが、この様な場合は、少しでも多くその場で情報を聞き出してみましょう。
優秀なヘッドハンターであれば、1,2分の電話であなたに興味を持たせるためのセールスピッチを持ち合わせているはずです。

電話相手が繰り返し「改めて話をする日時を決めたい」と言う場合は、その方がアポイントのみをとるアシスタントの場合が多いです。
その際には、「個人情報は渡せないが、もう一度担当の方から電話を貰えれば話は聞く」という対応で良いかと思います。
本当に先方があなたと話をしたいのであれば、必ずまた連絡がきます。

ヘッドハンターはあなたに対してとても魅力的な機会を提案してくれる存在でもありますが、場合によってはただの時間の無駄になり兼ねないので、なるべく自身の時間の効率化を考えて対応をしましょう。


②実際にあなたの職務を知っており、クライアント企業で探している人材に当てはまる。

多くの会社は、過去に話をした事のある方の情報をデータベースに入力し、将来的にその方に合う案件があれば紹介するという流れになっています。
以前あなたが誰かに職務経歴書を渡したことがあったり、色々と自身のご経歴についてお話をした事があれば、その会社のデータベースにはあなたの情報が登録されていると考えた方が良いでしょう。


③KPI達成の為にとりあえずデータベース上に候補者情報を追加したい。

人材紹介会社にて働く方が日々どの様なKPIを設定して仕事をしているのかという部分は後の投稿で詳しくお話をしますが、例として、何人から職務経歴書を受け取りデータベースに登録したかという数字をKPIとして設定している会社も少なくありません。
こういった場合、本末転倒な仕事の仕方をしてしまう方もいるというのが事実です。


最後に、この仕事をするうえで、私が常に感じているのは、結局はご縁であるという事です。
突然の電話相手が、とても信頼しあえる友人もしくはビジネスパートナーになるというケースも私は何度も経験してきました。

これから更なる挑戦を求めて仕事をされている方にとっては、自身の活躍の場がどこであるのかを広い視野を持って見極めるのが重要であると思います。
そんな中で、ヘッドハンターとの正しいお付き合いによって、よりあなたの情報量を増やし、アンテナを強化する事が可能なのは確かです。

今後の記事では、信頼できるヘッドハンターの見極め方についても、より詳しくお話をさせて頂きます。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

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