ヘッドハンター・イン・ジャパン | HEADHUNTER in JAPAN

日本で働く日本人とイギリス人のヘッドハンター二人が彼らの仕事や日常について徒然なるままに書き殴る自由帳 | HEADHUNTER duo in Japan, a Japanese and a Brit, talking about work and everyday life.

ヘッドハンターから見た2017年、そして2018年へ

明けましておめでとうございます。

 

新たな1年が始まり、私のクライアント企業様側でも色々な動きが出てきております。

私は主にConsumer領域でのシニアポジションにおいて、外資系の大手からスタートアップ企業までをクライアントとしてヘッドハンティングを行っておりますが、2017年も興味深い動きがありました。

 

今回は主に、日本でビジネスを展開する外資系企業、その中でも日本でのこれからの成長が期待されているスタートアップ企業の話をさせて頂きます。

 

昨年を振り返ってみますと、年末にはUber Japanの代表を務めていらっしゃった高橋正巳氏が約3年間の日本での成長フェーズをリードされた後、米ニューヨークを本社とするWe Workというスタートアップ企業の日本オフィス代表となったという報道がありました。

Uberの日本でのパフォーマンスについて、ライドシェアのサービスのみを見てしまうと厳しい状況ではありますが(日本では当面、現行のハイヤーとともに、タクシーの配車サービスに専念すると発表がありました)、Uber Eatsの普及はローンチからの期間を考えると素晴らしい成長と捉える事も出来るのではないでしょうか。

We Workでの高橋氏の活躍も今年はかなり注目されるのではと思います。

 

日本で成長を続ける外資系企業という枠では、NETFLIX K.K.にも注目がされていました。

同社が日本でのサービスローンチをした時には、業界(TV、映画)の方々の多くが冷めた目で「成功するわけがない」と口にしていたのを覚えています。

その中で、同社は着々と日本オフィスのメンバーを固めていき、2017年にはオリジナル作品の『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』ブラッド・ピット(Brad Pitt)を来日させたりと、NETFLIXの日本での存在を確実に大きなものにさせています。

同社のマーケティングのトップには以前コカ・コーラ ジャパンで活躍されていた方が2016年の末から就かれていますが、マーケティングチームも昨年で新たなメンバーを複数迎え入れており、本気度がひしひしと伝わってきます。

日本オリジナル作品の制作も積極的に行われており、フジテレビとの共同制作で始まった『テラスハウス』の人気は主にティーン世代に絶大な人気を博しており、2017年からはフジテレビで1999年から2009年までの10年間続いていた『あいのり』も復活させ、人気コンテンツの獲得にも注力している事が伺えます。

更にはデイヴィッドプロダクション(アニメ制作会社・フジテレビ子会社)で代表取締役社長を務めていた沖浦泰斗氏がアニメ制作チームのトップとして迎え入れられ、これからのオリジナルアニメ制作の面でも目が離せない状況となっています。

 

2017年はSpotify Japanの動向にも音楽業界のみならず様々な方面から注目がされていました。

今や7,000万人の有料会員を有するスウェーデンの会社が日本にやってきた時(2016年夏にローンチ)多くの方が、同社がどの様な戦略で事業展開していくのかを厳しい目で見張っていたのではと思います。LINE Music等の国内のサービス及びApple Musicといった先行サービスが既に日本で立ち上がっていた中で、音楽業界の売上の78%をCDが占めていた日本市場をどうディスラプトするのかは非常に興味深い題材でありました。

日本の代表に元Amazon JapanのKindle事業部長である玉木一郎氏を迎え入れ、マーケティングのトップには米GAP本社で北アメリカのマーケティングを統括していたのジュン・ソバジェ氏を置き(SpotifyCMOも元Gap:Seth Farbman)、その他にもAmazonTwitterAppleといった企業で活躍されていた人材を引き抜き、徐々に日本でもSpotifyのサービスが認知されるようになってきました。

最近では、お正月に放映されていた村上虹郎(俳優の村上淳と歌手のUAの息子)が出演するTV-CMが記憶に新しいですが、これから日本でのサービスをどんどん根付かせていくという力強い姿勢が見受けられます。

現在IPOの準備を進めていると話題になっている同社ですが(ダイレクトリスティング(=直接上場)を求めているという報道が直近でありました)、これからの日本での更なる成長に期待したいところです。

 

さて、主にスタートアップ3社について2017年における動向を簡単に書きましたが、2018年はどの様な会社が注目されているのでしょうか。

 

前述のWe Workは日本での成長が期待されている企業のひとつである事は間違いありません。

We Work Japanはソフトバンクグループとの合弁として設立され、今年の2月にはコワーキングスペースのうち初拠点となるアークヒルズサウスをローンチする予定となっており、その後は銀座、新橋、丸の内北口、と3つのロケーションが既に発表されています。

企業価値が200億ドルとされるこの会社が、どこまで日本という市場で成長できるのか、とても興味深いところではあります。

 

次に私が注目しているのは、Slack Technologiesという会社です。

米サンフランシスコに本社を置く同社は、Slackという名の会社やチームの共有作業をサポートする為のビジネスコラボレーションツールを提供する会社で、世界で600万人以上のユーザーがおり、その中で5万以上の企業・チームが有料プランを導入していると言われています。日本版は2017年の11月にローンチされました。

現在、日本オフィスにはSpoqaという韓国の会社の日本法人代表を務めていた日本オラクル出身の熊谷喜直氏をシニアアカウントエグゼクティブとして迎え入れ、エンジニアやカスタマーエクスペリエンス人員も何名か揃えており、着実に日本市場での発展を推し進めています。

新たな人材の募集も継続的に行っており、じきに日本代表も発表されるのでは無いでしょうか。

既にディー・エヌ・エー日経新聞、Sansan(名刺管理サービス)、クックパッドなどの会社に導入実績があると発表されており、これからも成長の勢いを増していく事が予想されます。

LINE WORKSや、ChatWorkといった競合サービスとどの様に戦っていくのかは是非とも注目しておきたいと思っております。

実は、この会社もソフトバンクグループ(正確には孫氏が率いるビジョン・ファンド)がリードVCとなっており、昨年の9月に2億5000万ドルを調達したとの報道がありました。

 

上記の2社含め外資系企業が次から次へと日本市場へ参入してくるなかで、メルカリなどの日本を代表するスタートアップ企業の活躍に対しても当然ながら期待している私ではありますが、各フィールドで活躍されている方とのお話のなかで必ず話題となるのは、信頼できるチームメンバーの重要性です。

「人をつなげる」を生業としているからには、そういった面から企業・チームの発展に貢献するというミッションを持ちながら、この先も色々な方のサポートをさせて頂ければと思っております。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

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